書名:スポーツを地域のエンジンにする作戦会議
ドイツの現状、日本の背景を深堀り!
ドイツ在住ジャーナリスト 高松平藏 丨追手門学院大学教授 有山篤利
晃洋書房 四六・232頁・定価 本体2,200円+税 ISBN 9784771037724 発売日;2023年12月10日
【内容】
このサイトの運営者でもある私、高松平藏は2011年以来、有山篤利さんと日独のスポーツに関する議論を交わしてきた。
日本では2020年から「部活の地域移行」の議論が活発になってきたが、その議論のあり方に大きな異論と危機感を抱いた。これが本書執筆の動機で、かつ長年の議論の成果だ。
第I部は有山、第Ⅱ部は高松が担当した。第Ⅲ部はお互いに日・独のスポーツに対する質問をぶつけあった。下の方にある、目次を参照されたい。
著者の高松平藏はドイツ在住のジャーナリスト(詳しくはこちら)。有山さんのプロフィールは下記の通り(本書より)
有山篤利(ありやま あつとし)
京都府立高校教諭、京都府教育庁保健体育課指導主事、聖泉大学人間学部教授、兵庫教育大学大学院学校教育研究科教授を経て、現在は追手門学院大学社会学部教授、博士(教育学)。
体育科教育学やスポーツ社会学を専門領域とし、主に武道(柔道)、部活動、体育授業、スポーツ文化などを研究テーマとして多数の論文、雑誌記事等を発表している。
主な著書に「『わざ』を忘れた日本柔道(単著、大修館書店、2023年)、「フランス柔道とは何か-教育・学校・スポーツ-、共著、青弓社、2022年)、「スポーツ戦略論-スポーツにおける戦略の多面的な理解の試み-」(共著、大修館書店、2017年)などがある。
また、柔道指導、部活動改革、体育指導に関する講演や研修会講師を多数行う傍ら、柔道指導教具「投げ技マイスター(特許第5312530号)」の開発やYouTubeによる武道(柔道・剣道)の初心者指導用プログラムの発信なども行っている。
【目次】
日本のスポーツは、体罰問題やブラック部活動や部活動の地域移行等、多くの課題を抱えている。一方、ドイツではスポーツは社会の一部であると同時にコミュニティを形成、活性化するエンジンにもなっている。ドイツの事例をもとに日本のスポーツの問題点を洗い出し、よりよいスポーツのあり方を考える。
第Ⅰ部 どうする日本のスポーツ問題
第1章 新型コロナが問いかける日本型スポーツ
1 スポーツが消えた?―コロナ禍からの問いかけ―
2 競技大会に出場することがスポーツ活動なのか
3 托卵型育成モデルの日本型スポーツ
第2章 こうしてできあがった日本型スポーツ
1 日本のスポーツは最初から部活だった
2 日本型スポーツの誕生
3 高度経済成長と日本のスポーツ
4 AKB48にみるパラダイムシフト
5 プロダクトのスポーツからプロセスのスポーツへ
第3章 どうするブラック部活動
1 ブラック部活動の出現
2 運動部活動の改革が働き方改革でよいのか
3 運動部の危機と日本のスポーツ
4 スポーツ活動に関するかみ合わない議論
第4章 どうする部活動教育
1 スポーツはオンの活動? オフの活動?
2 運動部活動って何するところ?
3 運動部活動という教育の落とし穴
4 運動部活動の地域移行の是非
第5章 どうする運動部活動の地域移行
1 スポーツは習い事?
2 競技スポーツ環境のスクラップ&ビルド
3 スポーツという主体的な余暇の過ごし方を学ぶ
4 運動部活動が地域社会を創る
5 保護者というアクター
第6章 運動部活動から日本のスポーツを改革する
1 改革のゴールイメージを描く
2 運動部活動の改革に向けて
第Ⅱ部 ドイツで「スポーツが地域社会のエンジン」になっている理由
第7章 こんなに「スポーツ」があるドイツの地域社会
1 スポーツクラブと学校が施設を共用
2 都市には「スポーツ環境」が埋め込まれている
3 プログラムが地域スポーツを生きたものにする
4 地域のスポーツ資源を使い倒すドイツ
第8章 スポーツクラブは実に「社会的組織」だった
1 似て非なるもの、スポーツクラブと草野球
2 スポーツは「習い事」ではない
第9章 何を隠そう、余暇には社会創造の力がある
1 やっぱり日本は働きすぎ
2 「余暇」は余った暇な時間ではない
第10章 だからスポーツが「社会」や「デモクラシー」とつながっている
1 人間の尊厳とスポーツがなぜ関係しているのか?
2 生きたデモクラシーにこだわるドイツ
第11章 ドイツ視点で、どう見える? 日本の社会・デモクラシー・スポーツ
1 そもそも日本には「社会」がない⁉
2 日本の民主主義はデモクラシーというよりエアクラシーだ
第12章 地域社会の一部で、地域社会を作るエンジンとしてのスポーツ
第Ⅲ部 日本のスポーツを21世紀にふさわしいものにする作戦会議
1 有山篤利が高松平藏にドイツの事情についてきく!
2 高松平藏が有山篤利に日本の事情についてきく!
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著書に関するニュース
【2024年5月10日】講演まとめ2点
「スポーツを地域のエンジンにする作戦会議」をベースにした対談、鼎談を主催者さんがまとめてくださいました。
【鼎談講演】コミュニティづくりにスポーツを! まとめて面倒みましょう 多様性と一体感
きゅぽらスポーツコミュニティ主催 4月26日開催。代表の石井邦知さんと鼎談。石井さんの日本での実践を踏まえた話が展開されました。また鼎談のこのテーマが、いかに深く・広く・複雑なものであるかを整理してくださっているように思います。
【対談講演】部活の地域移行を立ち止まって考えてみた-「スポーツを地域のエンジンにする作戦会議」
NPO法人judo3.0主催 2024年2月15日開催。代表の酒井重義さんが司会。参加者の皆さんにとって、「参加して損した」「唖然とした」、といった煩悶「ありへートークショー」だったと思います。なぜそうなるかがこの「まとめ」を読むとお分かりいただけるかもしれません。
【2024年4月10日】雑誌「健康づくり」でご紹介しただきました。
雑誌「健康づくり」(4月号 P23)で、ご紹介いただいた。
<日本型スポーツの潮流やドイツの実情なども細やかに・・・地域コミュニティ活性化の「エンジン」となり得る、これからの日本に求められるスポーツのあり方を探るヒントがつまった一冊>
【2024年3月28日】京都新聞と静岡新聞で紹介いただきました。
追手門学院大学教授・有山篤利さんとの共著、「スポーツを地域のエンジンにする作戦会議―ドイツの現状、日本の背景を深掘り!」(晃洋書房)を新聞でご紹介いただいた。ここでは2紙掲載しておく。(続き)
【2023年12月29日】ドイツに実物のサンプルがようやくきました。年内ギリギリ。
【2023年12月8日】ジュンク堂書店池袋本店さんがX(旧Twitter)に投稿してくださった。テキストは以下の通り。ありがとうございました。
『ドイツの学校にはなぜ「部活」がないのか』の著者による新刊です。帯の裏表紙側に「ドイツのスポーツは非体育会系」と書かれていて、「どういうこと?」と気になりました。社会におけるスポーツの立ち位置が、ドイツと日本では全然違うようで、目次を読むだけで面白そう! と思わせます
棚24[スポーツ理論]にて販売中
【2023年11月30日】アマゾンでの予約始まりました。