11月から制限が厳しくなったドイツ。12月16日からはさらに強化される。
2020年12月16日 文・高松平藏(ドイツ在住ジャーナリスト)
科学を公共政策に反映するのは難しい
感染増加を受けて、11月からの制限は「ロックダウン・ライト」とされていた。筆者の住む町のクリスマス市場もスカスカの「コロナバージョン」(動画 12月14日撮影)。しかも16日から制限がさらに厳しくなり、屋台が閉められる。
科学と政策をどう関連づけるかは大きな課題だ。コロナ感染をなくすための「科学」でいえば、一定期間全員が自宅にいればたぶん目的は果たせる。しかしそれは無理な話だ。
科学は経済・世論と調整される。科学を公共政策にどう反映するのかは難しい。それにしても個人的には「『ロックダウン・ライト』って、コーラじゃないんだから」とついぼやいた。
「次の波」はあまり考えたくない。しかし、次が来れば、最初から厳しい措置が取られ、そして納得する人も多いと思う。
「クリスマスは家族の日」だが・・・
ところでクリスマスといえば、「家族」が集う日だが、この「家族」がちょっと難しい。
というのも事実婚や交際相手まで「家族」の範疇に入る。さらに結婚を繰り返して夫婦子供の名字が全員違うといった家族関係が複雑な人もいる。いわゆる「パッチワークファミリー」と呼ばれる状態の家族だ。保守的な家族観を持つ読者諸氏にとっては、かなり違和感があるだろう。
加えて、近年の長寿化により、健在な祖父母、曽祖父母がいるケースもある。だから、毎年クリスマスに「家族」で過ごすというと、意外とアレンジが難しい。
そこへコロナ禍である。集まる人数などの制限も加わった。我が家もそうだが、連日「どのように集まるか」という「クリスマス会議」をしている人が多いと思う。(了)
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執筆者:高松平藏(たかまつ へいぞう)
ドイツ在住ジャーナリストで当サイトの主宰者。 著書に「ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか」など。
2020年には「ドイツのスポーツ都市 健康に暮らせるまちのつくり方」 (学芸出版 3月)、「ドイツの学校には なぜ『部活』がないのか 非体育会系スポーツが生み出す文化、コミュニティ、そして豊かな時間」(晃洋書房 11月)を出版。一時帰国では講演・講義、またドイツでも研修プログラム「インターローカルスクール」を主宰している。プロフィール詳細はこちら。