高松平藏の「ドイツの地方紙拾い読み」

ニュルンベルク(人口53万人)では、サッカーのレジェンド、マックス・モルロックの100歳の誕生日を祝うミュージカルの制作が進行中だ。この作品は、1925年5月11日に生まれたモルロックの生涯を描き、1.FCニュルンベルクの125周年も同時に祝う。現在、8歳から10歳の少年たちが若き日のモルロックを演じるためのオーディションが行われている。この役は複数人で演じられ、全26回の公演をカバーする予定だ。

また、モルロック自身(テノールまたは高いバリトン)や彼の妻インゲ(ソプラノ)役も募集中で、こちらも20代から30代の俳優を探している。この制作は非営利組織ミュージカルネットワーク・ニュルンベルクによって運営されている。同組織はこれまで地域に根ざした物語や伝説を舞台化する活動を続けている。(エアランゲンの地方紙 2025年1月25日付より)

【解説】地元の著名人を舞台作品にする動きはドイツで散見される。たとえばフュルト市(13万人)は2007年の市の1000年記念年に、地元の著名人を題材にした作品を地元の作家によって脚本化し、上演されている。拙著「ドイツの地方都市はなぜ元気なのか」でも触れている。(2025年1月28日)


高松 平藏 (たかまつへいぞう)
ドイツ在住ジャーナリスト。地方の「都市発展」がテーマ。プロフィールの詳細はこちら。執筆依頼・講演などはこちら。このサイトの運営者