2024年12月29日 文・高松 平藏(ドイツ在住ジャーナリスト)
最近の調査で、ドイツ16州のワークライフバランスのランキングが明らかになった。エアランゲン新聞の12月28日付の報道によると、オンライン診療プラットフォーム「Zava」は給与、労働時間、通勤時間、休日数など様々な角度から調査を行った。
この調査結果によると、バーデン・ヴュルテンベルク州が10点満点中7.92点で1位。同州は平均年収が47,962ユーロと全国平均を上回り、週平均労働時間は33.76時間と全国平均をわずかに下回っている。加えて、通勤時間も短い。また州によって祝日数が異なるが年間12日あることも評価された。
2位はハンブルク(7.63点)で、最高の平均年収と短い労働時間が特徴だ。3位はザールラント州(7.72点)で、特に週204.25分という最短の通勤時間が注目された。
一方、筆者が住むバイエルン州は6位(7.37点)にとどまった。2024年の平均年収は46,757ユーロ、週平均労働時間は34.08時間だったが、週301.5分と通勤時間が最長。これが総合評価を下げた。
ワークライフバランスは、収入、適度な労働時間、短い通勤時間、十分な休日数が鍵になることを示している。日本社会を鑑みて付け加えると、「自分の時間をどのように自己決定で使っていくか」という基本的なメンタリティも良好なワークライフバランスの要だと思う。(了)
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余暇がポイント。「スポーツクラブ文化」について、たっぷり書きました。
執筆者:高松平藏(たかまつ へいぞう)
ドイツ在住ジャーナリスト。エアランゲン市(人口約12万人 バイエルン州)を拠点に、地方の都市発展を中心テーマに取材、リサーチを行っている。執筆活動に加えて講演活動も多い。 著書に「ドイツの地方都市はなぜ元気なのか」「ドイツの都市はなぜクリエイティブなのか」など。当サイトの運営者。プロフィール詳細はこちら