飛躍的に高度な演算を可能にする次世代技術「量子コンピューター」をドイツ・バイエルン州内の大学や研究所らが共同で開発をすすめる。
2022年2月2日 文・高松平藏(ドイツ在住ジャーナリスト)
エアランゲン新聞(2月1日付)の報道によると、「ミュンヘン量子バレーネットワーク」(ミュンヘン)が今年1月27日に創設された。エアランゲン大学、ミュンヘン工科大学、マックスプランク研究所、フラウンホーファー研究所、ドイツ航空宇宙センターなどによるもので、バイエルン州政府によって支援されている。
同ネットーワークは数年以内に、最初の量子コンピューター “Made in Bavaria” 設置を目指す。
バイエルン州は2019年から技術振興のための資金調達の枠組み「ハイテク アジェンダ」を開始。 ミュンヘン量子バレーネットワークへ8000万ユーロ以上の資金提供がすでに行われている。
地方分権型のドイツでは、州が様々な振興策を行うケースが散見される。「ハイテク アジェンダ」は、以前から行われていたハイテク推進策「ハイテク・オッフェンシブ」の継続策。かつて同州の振興策をさして、「ラップトップと(伝統的な)革ズボン」と表現されていた。州首相のマルクス・ゼーダー氏は「テクノロジーは未来だから(投資をすすめる)」と述べている。(了)
高松平藏 著書紹介(詳しくはこちら)
地域における経済振興、技術振興も重要な課題
執筆者:高松平藏(たかまつ へいぞう)
ドイツ在住ジャーナリストで当サイトの主宰者。 著書に「ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか」など。
2020年には「ドイツのスポーツ都市 健康に暮らせるまちのつくり方」 (学芸出版 3月)、「ドイツの学校には なぜ『部活』がないのか 非体育会系スポーツが生み出す文化、コミュニティ、そして豊かな時間」(晃洋書房 11月)を出版。一時帰国では講演・講義、またドイツでも研修プログラム「インターローカルスクール」を主宰している。プロフィール詳細はこちら。また講演や原稿依頼等はこちらを御覧ください。